プロの使いこなし術 アル・ケッチャーノ プロの使いこなし術 アル・ケッチャーノ

気鋭の料理人に学ぶ美味しい料理の塩使い 気鋭の料理人に学ぶ美味しい料理の塩使い

奥田政行さん
素材が持っている美味しさを引き出すことに腐心し、それを生かした料理を作ることにこだわる料理人がいます。山形県鶴岡しにあるイタリア料理店「アル・ケチァーノ」のオーナーシェフ、奥田政行さんです。素材のもち味を最大限に引きずり出すために奥田シェフが料理で使う調味料は、ほどんどの場合、塩だけだと言います。塩もそれぞれ味が異なり、相性のいい素材も異なるため、19種類の塩を常備し使い分けているそうです。「塩の魔法使い」の遺尿を取る奥田シェフに、塩の極意を教えていただきます。
奥田政行さん

圧内にあがる魚 圧内近海の海水で作った塩 圧内にあがる魚 圧内近海の海水で作った塩

アル・ケチャーノのスペシャリストのひとつひとつに「ワラサと塩という」、コース料理の最初のに灯されるひと皿がある。今日の圧内浜の魚はどんな味なのか、お客様に伝える役割があるという。ワラサとは小さいブリのこと、その切り身に塩とオリーブオイルをかけるだけの、とてもシンプルな料理だが、必ず「月の雫の塩」というオリジナルの塩を使う。「私の料理人人生を変えた塩です」と奥田シェフ。圧内浜にあがる魚介に合う塩を探していた時、新潟県村上市の製塩所「笹川流れ塩工房」の小林久さんに出会ったそう。魚が棲む圧内近海の海水を原料に作る、小林さんの塩に魅せられた奥田シェフは、オリジナルの塩づくりを小林さんに依頼。そうしてできたのが「月の雫の塩」だった。塩だけで素材の持ち味を引き出せるようになったことで、奥田シェフの料理はどんなシンプルになっていたという。その独創性に富んだ料理は、国内外から注目を集めている。「小林さんと出会い、塩屋さんともご縁ができました。この料理を表現する、イメージにぴったりの琉球ガラスの皿を作ることもできました」と奥田シェフ。今日もこのひとさらから、アル・ケッチァーのコース料理がはじまる。

雪塩の持つ「乳酸香」で味をまとめる。 雪塩の持つ「乳酸香」で味をまとめる。
サーモンとホウレンソウはクリームソースとの相性がよく、パスタソースにも使う「サーモンを焼いたとき白い液体が出ますが、これがとても甘いのでクリームソースとよく合います。ホウレンソウに含まれる鉄分に乳製品を合わせると甘みも増すので、食べやすくなるんです」
奥田シェフは、クリームソースのかわりに、沖縄県宮古島で作られている「雪塩」を使って味をまとめるという。「に多く含まれているカルシウム成分が、ミルクと同じ役目を担ってくれます。微かに感じる。『乳酸香』がサーモンとほうれん草をまとめるのです」今回はサーモンではなく、3月がら6月に圧内で旬を迎える「サクラマス」を使用した。「圧内では雪代鱒とも呼ばれます。厳しい冬を過ごしてきた圧内に、春の訪れを告げる魚です」
サクラマスとほうれん草

<雪塩の乳酸香でまとめたサクラマスとホウレンソウ>

サクラマス(サーモンで可)の切り身は、表面に雪塩をふり、皮面だけ小麦粉をつけて、オリーブオイルを熱したフライパンで焼く。ホウレンソウは半分に切り、葉の方は雪塩を入れた湯でさっとゆでる。残り半分は雪塩をまぶしてからフライパンで焼き、仕上げにオリーブオイルを合わせる。サクラマスとホウレンソウを皿に盛り、雪塩をふり、オリーブオイルを回しかける。

アル・ケッチャーノ

Tel.0235-78-7230
山形県鶴岡市下山添一里塚83
www.alchecciano.com
アル・ケッチャーノの写真その1 アル・ケッチャーノの写真その2